音楽
クリスマスに因んだ音樂
山本 金雄
pp.67-69
発行日 1956年12月10日
Published Date 1956/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201320
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今月は様子を少し変えてクリスマスにちなんだチヤイコフスキーのバレー音楽「胡桃割人形」とヘンデルの作曲した「救世主」ついてお話し致しましよう.
先ず「胡桃割人形」というのは,ドイツの小説家ホフマンの童話「くるみ割人形と二十日鼠の王様」をデユーマがフランス語に訳し,更にペテイバが二幕三場に脚色したもので物語の筋はクリスマスの夜,シルバーハウス家の娘マリーが「胡桃割人形」をブレゼントに貰つた.所がやんちやな兄弟がひつたくつて,こわして了う.マリーは之をいたわつて寝かしつける.所が真夜中になつて人が寝しずまつてから二十日鼠があちこちから出て来て,人形や鉛の兵隊との間に戦いが初まる,けがをしていた胡桃割人形は起き上つて動き出す.大戦争となると二十日鼠の方が優勢であつたが,胡桃割人形が鉛の兵隊と一緒になつて戦い,二十日鼠の王様と一騎打となつた,危い所シルバーハウス家の娘マリーが靴を王様に投げつけたので,王様は倒れ,二十日鼠は逃げ去つた.すると突然胡桃割人形は美しい王子様になつて,マリーをお伽の国へ案内して行く.そして第二幕はお菓子の国で,そこにはありとあらゆるお菓子や御馳走があり,金米糖やチヨコレート,コーヒー,お茶等が子供に歓迎の踊りを踊る.第三幕は花という花が踊り,おもちやもお菓子も,一緒になつて優雅なワルツ調子に乗つて踊り出すという筋の組立になつている.
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