講座
忘れられた栄養学—暮らしに現われた栄養学の盲点
近藤 とし子
1
1栄養改善普及会
pp.16-20
発行日 1955年2月10日
Published Date 1955/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200897
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(イ)銀飯を礼讃する前に
丼でもり切り飯をたべていた人達も何とかやりくりがついてヤミ米が買えるようになると昔なつかしい飯茶碗になりそれに炊きたての銀飯をもつて,やつとほつとした気分で食卓に向うというのがやはり何といつても多数の日本人のいつわらない食生活の実態だと思う.
だからこそ厚生省でやつている栄養調査の成績をみても,昭和27年以後は,国民一人一日当りとして1.14ミリグラムのビタミンB1しか攝られていず,成人単位になおしても1.6ミリグラムで,然も料理によつて失われる水洗い,炊飯などの際のB1損失量を見越すと実際に攝つているビタミンB1はその半分即ち0.8ミリグラムそこそこしか攝れていないことが分かる.
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