連載 介護することば 介護するからだ 細馬先生の観察日記・第3回
日誌に現われない身体
細馬 宏通
1
1滋賀県立大学人間文化学部
pp.856-857
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102011
- 有料閲覧
- 文献概要
介護施設の観察を始めたとき、関心はもっぱら介護する人とされる人との関係のことで、職員さん同士の会話やカンファレンスは参考程度にするつもりだった。ところが、滋賀県下のあるグループホームで月例カンファレンスを見学させていただいたら、その様子があまりにおもしろいので、その後、毎回拝見するようになった。
グループホームには入居者用それぞれの日誌があって、バイタルやエピソードが記されている。カンファレンスの際には、分厚いバインダで閉じられたその日誌がかごに入れられて、テーブルにどんと置かれる。ちなみにこのテーブルは、グループホームの食卓でもある。いつもは入居者のみなさんが座られる席に職員さんがいると、介護する人とされる人が同じ場所で重なるようでおもしろい。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.