2頁の知識
結核のアフターケヤ
島村 喜久治
1
1国立療養所清瀬病院
pp.30-31
発行日 1954年11月10日
Published Date 1954/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200837
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結核は再発の多い病気である.しかし,多くの再発例をよく見ると,再発というよりも,初めから治癒していなかつた場合の方が多い.そこで正確にいえば,結核は治癒しにくい病気である,といつた方が正しいだろう.現に,國立療養所に入つてくる患者の6割は,何らかの形での再発というよりも,今書いたように一度発病し治癒していなかつたのに働いて「再発」した患者である.
そこで,結核という病気を扱う場合,治癒したかどうかの診斷が非常に大切となる.ところが,周知のように,この慢性疾患は容易に治癒しない.一方,ある時まで輕快すれば結核患者は動けるし,経濟的にも働かぎるをえない場合が少なくない.そこで,どのくらい働けるほど治癒しているかという診斷法が行われる.これが作業療法である.醫学の妥協である.治療法ではない.
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