海外の話題
再開された強制健保論爭
渓
pp.40-42
発行日 1952年4月10日
Published Date 1952/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200266
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アメリカで健康保険が公式に提唱されたのは1932年に発表された,ウイルバー報告にさかのぼるということは周知の事実だが,今日年額2500億弗(約90兆円)を超える国民所得を持つというそのアメリカで,この健康保険の問題が依然として,大きな政治問題になつているということは我々にとつても大きな興味を提供して呉れる。
と云うのは現在アメリカの社会保障制度は極めて,不充分であつて幾多改良の余地があるとして,トルーマンは大統領選挙における公約の一つとして社会保障制度の拡充,殊に強制健康保険の創設を提唱しているからである。既にその計画が議会にも要請され,その都度,医師会や共和党から激しく反対をうけているということは,しばしば我々の耳に入つてきたが,最近12月も押し迫つた29日ト大統領は"国民保健上未だ究明されていない生命の問題を研究する"14人からなる委員会をつくり,今年68才になる有名なVelerans Administrationの医務局長をしているPoul B. Magnusson博士(ミネソタ出身)を委員長に選んでいる。
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