書評
『戰爭か平和か』
pp.49
発行日 1950年12月15日
Published Date 1950/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200019
- 有料閲覧
- 文献概要
この本の著者ジヨン,フオスター,ダレス氏は現に國務長官顧問の職にあるが私達にとつてはラジオや新聞雜誌などで可成り名じみのある人であり而も近くは對日講和の諸問題に關する事項で我國にも來朝された方である。
一般的に言えばこの本の到る處に見聞される著者の多年にわたる外交政策上の豐富な經驗は頗るじさに富んでおり教えられる點が多い。即ち最初にまず敵を知る事の重要さから説起している。大平洋戰爭中我國では英語のエの字の發音さえ良いの悪いのとやかましく言はれていた時代に太平洋をへだてたアメリカでは日本語の研究熱が盛んであつたことなどと併せ考えると,じくじたるものを感ずると共に一應は著者の卓見に敬意を表さねばならないだろう。
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.