2頁の知識
保健婦さんのいない村
小池 善一
1
1小笠原保健所
pp.38-39
発行日 1951年10月10日
Published Date 1951/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200160
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いまどきいくらすゝめても保健婦さんを置こうとしない町村があるのはたいへん残念です。私の所では昭和23年から25年までの結核死亡と乳兒死亡の状況を保健婦のいる村といない村に分けて觀察しましたところ,いる村では結核の死亡率が109.7,103.9,69.5とかなり改善を示しましたが,いない村では85.1,94.2,103.2と逆に増加の超勢さえ見られました。乳兒死亡率は全體として全國平均より低かつたので保健婦のいない村の改善が目立ちますが,人口動態による死亡率につきましてはいない村の11.7,13.0,10.9に對している村は9.9,10.0,10.3とかなりの差が見られました。この表を言を左右し保健婦を置こうとしなかつた某村長に見せましたところ,この4月の選擧で再選されたのを機會に村の衞生状態を改善するには保健婦さんが必要だということを悟られて5月から一人設置しました。
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