連載 自分史からみた群馬の国保保健婦活動・3
六郷村の保健婦活動
内堀 千代子
1
1元群馬県国保連合会
pp.364-365
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206517
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六郷村とその頃
昭和18年2月1日,これが私の六郷村国民健康保険組合(産業組合が代行)へ就職した日です。六郷村は母の生家から3kmあまり,役場の収入役は母方の伯母の実兄,産業組合の専務も縁戚にあたり,私の勤めていたN先生とは昔から親しいという関係が私の就職決定の大きな要因でした。
産業組合の広い事務室で,専務の紹介にいっせいに顔をあげたのは若い女性ばかり,私と一緒に仕事をする国保係も同年輩のおとなしそうな女性でした。一番喜んだのは人の好さそうな衛生主任で,逆三角形のおにぎりみたいな顔に歯のぬけた口を大きくあけながら「保健婦さんが来てくれちゃあ,これっから予防注射や伝染病が出ても大丈夫だあ」と大歓迎でした。私は実習中に手がけた基礎調査をすぐ始めたいと意気ごんでいたので,衛生主任に頼みこんで翌日から隣りの机で基礎調査を始めることにしました。
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