主題
農山村保健婦の実態と考え方
鈴木 宣子
1
1宮城県公衆衛生看護学校
pp.682-689
発行日 1964年12月15日
Published Date 1964/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202944
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I.はじめに直面している問題は何か
はじめに直面する大きな問題を次のように三つ設定してみました。すなわち,
1.はたして綜合保健のなかで保健婦は農村の姿(実態)を正しくとらえているだろうか。そしてそれに対して適確な働きかけをしているだろうか。
2.地方自治体の基本的単位である市町村に,住民のためにはたさなければならない役割をまっとうする態勢ができているだろうか。
3.保健活動が住民「のために」から「とともに」の活動志向によって,すすめられなければならないことは自明のことであるが,どうすれば住民「のなかから」の保健活動になるであろうか。地域保健活動の底流として活動をしている保健婦について,あまりにも外面的な「個」に課せられた期待が大きく,その反面,地方自治体という,組織体制の中で吸収されで,保健婦活動は「行き場がない」という感をもたらします。しかし,住民の側にたつ時,保健婦活動は,その真価がみいだされるということになる,この両極端の悶題点を保健婦活動はもつのであります。この前提にそって解明したいと考えました。
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