2頁の知識
社會保險における「結核の治療指針」について
五十嵐 義明
1
1厚生省保險局醫療課
pp.35-37
発行日 1951年10月10日
Published Date 1951/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200159
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1.指針は何故生れたか
國民病とまでいわれている結核性疾患の撲滅のためには,その豫防と治療の兩面から從來ともあらゆる努力が拂われてきたが,近代醫學の進歩はB.C.G.接種,外科的治療法及びストレプトマイシン,バス等の化學療法等に次々と新機軸を開き,豫防上にも治療上にも新たな光明をもたらすに到つた。
この機運に乘じて結核豫防法にも全面的な改正が加えられ,健康診斷及び豫防接種の義務制と特定醫療に對する醫療費の公費負擔が決定せられたのであるが,この公費負擔も、「適正な醫療を普及するため」と歌われているところから見ても明かなように,わが國の結核治療のすべてが新しい醫學の進歩に即應して随時随所に適正に行われているかどうかについては,可成り反省すべき餘地があることは事實である。
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