特別寄稿
保健婦一年生、無医村での歩み
藤巻 秀子
pp.71-73
発行日 1970年11月10日
Published Date 1970/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204802
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山梨県に現在いくつかの医者のいない村がある。その中のひとつ,人口約1,200,戸数300の山村に,昭和44年4月1日,私は保健婦として就職した。その日から,保健婦1年生の歩みが始まった。身分は県職員であり,管轄保健所からの派遣である。すでに2年前から村民の強い願いのもとに若い保健婦が派遣され,情熱的に活動した。なんとか医者を村に呼びたい!と努力し,43年の秋から,山梨県立中央病院から内科医が週に1回(木曜日の午後)出張診療にあたってくれていた。「保健婦」の名称も村民で知らぬ人はなかったし,保健婦活動もいろいろな形で生活の中に根をはり始めていた。初めて「保健婦さん」と呼ばれる私にとって,重い責任感と,業務についての不安がのしかかってはいたけれど,この1年間の業務を,量的,質的に工夫し,できるものなら科学的に自らの歩みの評価をしたかった。「どうしたらいいだろう」考えぬいて1年間を4つの期間に分け,1期間ごとテーマを持って反省しながら活動することにした。
第1期(起)……地区把握,地区診断,訪問活(4月〜6月)動に重点
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