特集 保健師基礎教育の現在
実践例2―大学での地域看護実習の現状と課題
上野 昌江
1
,
津村 智恵子
1
1大阪府立看護大学
pp.1138-1144
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100216
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はじめに
平成15年度現在,保健師,助産師,看護師の国家試験受験資格を取得することのできる看護学教育を行っている日本看護系大学協議会会員校は104校ある。しかし,看護系大学における教育は,保健師専門課程の教育に比べて公衆衛生学・公衆衛生看護学などの時間数も少なく,学生の保健師への志望動機が不足しているという指摘もあり,大学における保健師教育の課題が調査,分析されてきている1,2)。本稿では,当大学における地域看護実習を取り上げ,大学における保健師教育について考察していきたい。
当大学において,地域看護教育をすすめていくことを困難にしている要因として3つのことが考えられる。1つは,学生数の多さと学生の地域看護実習に対する学習意欲に関してである。看護学部の学生定員は80名であり,卒業時に全員が看護師と保健師国家試験受験資格をもつ。そのため,地域看護実習は全員履修する。しかし,実際に保健師として就職するのはごく一部にすぎない。
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