特集 保健計画—組織と運営を中心に
地域医療計画の現状と課題
福渡 靖
1,2
1前・厚生省医務局総務課
2現・宮崎県環境保健部
pp.100-105
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205136
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はじめに
医学と医療技術の進歩に伴い,医療の専門分化が進行しつつある.また,保健衛生環境の改善による衛生水準の向上も著しい.これらの結果,国民の死亡原因ならびに疾病構造の変化,平均余命の延長がもたらされ,国民の医療に対するニードも変わってきている.こうした中で,一般診療の増加と高度な特殊医療技術の進歩と普及がみられ,量的にも質的にも医療需要が変化しており,医療機関も行政組織もこの需要への新しい対応を求められている.
厚生省は,昭和48年度に,医学,システム工学等の専門家からなる医療情報システム検討会を設け,地域医療システムを含めた医療情報システム開発の基本的方向の検討を始めたのである.これは,質・量ともに増大している国民の医療需要に応えるには,限られた医療資源の有効な活用を図ることが肝要であり,そのためには,コンピュータを中軸とする情報処理技術,映像伝送技術,医用電子技術等を応用して医療情報システムを開発し,医療のシステム化を進めることが極めて有効であるとの考えからである.
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