連載 韓国の公衆衛生看護教育と保健活動の見聞から・1【新連載】
地域看護教育の現状と課題
岩本 里織
1
,
都筑 千景
1
,
小倉 弥生
1
,
成瀬 和子
1
,
宇多 みどり
1
,
山下 正
1
,
金川 克子
1
1神戸市看護大学看護学部健康生活看護学
pp.904-908
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101986
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はじめに
パブリックヘルスナース「保健師」の国家資格をもつ国は世界でも多くありません。日本では,「保健師」は国家資格であり,公衆衛生に従事する看護職として社会に認められた専門性をもつ職業です。2012(平成24)年度から保健師教育過程のカリキュラムが変わり,保健師の専門性をさらに強化するため教育内容を充実させることが不可欠となりました。一方で,特定看護師制度についても検討されており,保健師がどのように専門性を拡大させていくかが課題となっています。
このような折,2011(平成23)年7月,第2回日韓地域看護学会を金川克子学会長のもとで開催し,韓国の地域看護活動・教育に従事する方々と交流を図る機会がありました。
韓国においては保健診療員という,保健師と似ていますが処方権などをもつ資格制度があること,公衆衛生*看護分野の上級実践看護師(Advanced Practice Nurse)*の課程があり,高度な教育が実施されていることを聞きました。この韓国における地域看護職の教育や活動は,今後のわが国における保健師の基礎教育や現任教育のあり方,キャリア開発の参考になると思い,現地に出向いて現状を見聞きしてきました。
今回は,韓国における地域看護教育の現状と課題から日本の現状を考えていきます。次回は保健診療員制度について,最終回は保健所活動についてご報告します。
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