連載 私のフィールドノート・10
命運
星野 晋
1
1山口大学医学部・文化人類学(医療人類学)
pp.1004
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100186
- 有料閲覧
- 文献概要
自分や近しい人の運勢は,深く信じるわけではないにしても,何やら気になるものである。巷はテレビや雑誌の星占い,路上の手相見,ネット上の占いサイトなど,運勢を知る場で溢れかえっている。そんな日本同様,台湾も占い天国である。
台湾で人の運を表す「命運」という言葉は,誕生とともに決まり変更不能な定めである「命」と,日々刻一刻と変化する運勢にあたる「運」の2つの考え方からなる。「命」は誕生年月日時を八つの漢字で表現できることから「八字」とも呼ばれ,これが人によって重(良)かったり軽(悪)かったりする。一生に関わる問題なので,子どもの誕生時に算命師などの占い師に占ってもらう親も多い。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.