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春秋社編集部(編)―在宅ホスピスケアの選び方ガイドブック―終末期の選択肢を広げてくれる1冊
近藤 政代
1
1横浜市福祉局介護福祉部
pp.385
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100072
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死にゆく人々へのケアについて,また,死の迎え方について考えるとき出会いたい医療情報を備えたガイドブックができた。
1年半ほど前に私の父は肺癌で死んだ。腎機能が低下し,積極的な癌治療を受けることができなかった。弱音を吐くことのない父が,呼吸苦と痛みのなかで入院を選んだ。日増しに病状は悪化し,衰弱がひどくなると「家に帰りたい」と医療者や家族を困らせたが,とうとう自宅に帰ることはできず,最期は母と妹に見守られ病院のベッドで息を引き取った。この体験は,肉親としてだけではなく,終末期のケアに対峙する保健師という職業的な立場から,死が避けられなくなったときの「その人らしい最期」への支援,身近な人を失った人への支援のあり方を深く見つめ直すものになった。
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