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当院は1978年に羽曳野市古市で診療を開始し,2006年に現在の羽曳が丘に移転しました.南河内医療圏で地域医療に貢献してきました.現在,22の診療科で299床ありますが,このうち内科と外科が協力して診療を行う3つの臓器別診療センター(脳・脊髄・神経センター,心臓血管センター,消化器・乳腺センター)に整形外科を加えた4分野が診療の大きな柱となっています.救急医療にも力を入れており,南河内医療圏では最も多くの救急車を受け入れている医療機関です.また,令和2年4月には大阪府がん診療拠点病院に指定され,がん診療をこれからの中心的な診療分野と位置付けています.「城山病院は患者さまのために存在します」という病院理念のもと,職員一同,一丸となって協働しています.
当院外科は地域医療機関および当院消化器内科との連携のもと,食道から肛門に至る消化管と肝胆膵領域における各種消化器疾患など,主に腹部に関する手術症例を対象に,診療を行っています.外科医は,消化器外科医として院長を含め6名,乳腺外科医1名で構成されています.疾患別には,食道癌,胃癌,大腸癌,肝癌,胆管癌,膵癌やGISTなど消化器系悪性腫瘍,また胆石症,総胆管結石症や,鼠径ヘルニア,大腿ヘルニアなどの良性疾患に対する定期手術だけでなく,急性虫垂炎,急性胆囊炎,消化管穿孔に伴う腹膜炎や交通事故外傷に伴う腹腔内臓器損傷などの急性腹症に対し,随時,緊急手術を行っています.また低侵襲手術として,早くより腹腔鏡下手術を導入し,得意分野としています.2020年度の手術件数は513件で,そのうち乳癌手術は53件,これらを除くと腹腔鏡下手術は320件(約70%)でした.最近は食道癌にも胸腔鏡下手術を行い(胃管再建3例,結腸再建1例),肝胆膵外科手術は,肝胆膵外科学会認定修練施設ではありませんが,肝胆膵外科学会の評議員2名と高度技能専門医とともに脾臓等も含めた年間30例前後の手術(肝臓癌16例,膵臓癌6例等)を,安全を第一に考え施行しています.また,鼠径ヘルニアに対しても腹腔鏡下手術(TEP法など)を数多く(93例)行っています.
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