特集 地域におけるターミナルケア
坪井病院におけるホスピスと在宅ケア
坪井 栄孝
1
,
新庄 八重
2
Eitaka TSUBOI
1
,
Yae SHINSYO
2
1慈山会医学研究所
2坪井病院
pp.618-622
発行日 1993年9月15日
Published Date 1993/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900876
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
◆はじめに
人生の終焉をquality高く生きぬくためには,在宅医療の提供体制が整備されることが国民的希求とされている.
住み慣れた場所で,身近に親愛なる人々がいて,見慣れた風景の中で人生を終わりたいと願うことは,「病院より自宅で」という相対的な価値観ではなく絶対的なものであると考えるべきであろう.特に終末期にある患者の居宅受療指向には特別の意味があり,末期患者の在宅における全人的ケアの提供こそ,現代医療に欠くことのできない分野である.
このような背景をふまえて,末期がん患者への対応のため,在宅ホスピスを中心とした全人的医療提供を施行して来たので,その体験をもとに末期医療の内包している諸問題について述べたいと思う.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.