連載 こう書けばわかる!保健婦記録・11
「書くスキル」を磨いて記録の質を高めよう
栁澤 尚代
1
,
長江 弘子
2
1新潟星陵大学看護福祉心理学部看護学科
2聖路加看護大学看護学部看護学科
pp.78-83
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100048
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記録の中核「生活を記す」こと
記録の質は,保健師の実践活動をどのように切り取り,書き記す必要のある「事実」をどのように「客観的」に書くかにあります。その第一段階として,昨年の11月号では,活動評価の一連の問題解決過程を示す要素として“Plan/Do/See”を紹介しました。今回は,「生活を記す」をテーマに,生活の「どこ」に着目し,「どのような内容」を記すかに迫ってみます。
保健師は「生活の視点」を大切にしているといいますが,それは何をみることを指すのでしょうか?「地域で生活する」とは,ある個人が住み慣れた環境で命を守り,暮らし向きを維持し,自分の価値観に従って生きること,を意味します。そして,その個人の生活は,複数の住民が互いに尊重し,協力しながら成り立っています。それが「地域」です。保健師は,行政サービスの提供者・担い手として,その「地域」を横から支えます。その地域に属する個人が,生活を維持し,望んでいることを叶えるために,です。ですから保健師は,たとえ地域システムを築くことがゴールになるとしても,援助対象者がどんな生活をしてきたのか,いまはどんな生活をしているのか,今後どのような生活を望んでいるのか,を把握し,支援の方向性を決めることがスタートとなるのです。
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