インフォメーション 新しいナーシングケアのために
マタニティーブルー
市川 潤
1
1市立函館病院分院精神科
pp.1103
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922861
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女性に特有な精神障害の発生条件として,まず第一に挙げられるのは月経,妊娠,産褥などの,いわゆる生殖過程である.なかでも産褥期には,いろいろなタイプの精神障害が発症しやすいことが昔から知られている.
興味深いことには,産褥期の中でも,産後3日目に発症頻度の1つのピークがあるという点で,ほとんどの研究者が一致している.研究者によっては,産後1-2日目の精神障害の発症は皆無か,ほとんど例外的であるという人もある.つまり産後2日間は一種のlucid interval(正常期)であり,3日目から突如として発症し始めるのであり,発症頻度も多いとされる.産後精神障害には産後6か月目までに発症したものを含めるのがふつうであるが,4か月以降の発症例はほとんどない.
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