特集 マタニティーブルーと産褥期うつ病の臨床
マタニティーブルーの臨床的研究—マタニティーブルーの実態調査
我部山 キヨ子
1
,
成田 容子
1
,
本多 裕
2
,
岡崎 祐士
3
1東京大学医学部附属病院産婦人科病棟
2神経研究所附属晴和病院
3東京大学医学部精神医学教室
pp.594-604
発行日 1985年7月25日
Published Date 1985/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206683
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はじめに
近年,産褥期のマタニティーブルーが注目されるようになってきた。マタニティーブルーとは出産後の一時期に出現する涙もろさを主症状とする不眠,感情不安定,頭痛,疲労感,焦燥感等の情緒的混乱をいい,諸外国における調査1〜3,14,15)によれば,褥婦の1/2から2/3位に発現するともいわれている。産後3日目位から10日目位までの問に生じるため,postpartum blues,third-dayblues,tenth-day bluesとも呼ばれている。
産褥期精神障害については種々の報告があるが,マタニティーブルーに関しては,日本ではまだ十分な調査が行なわれておらず,その実態は明らかにされていない。そこで我々は,マタニティーブルーの実態を把握すべく,prospectiveに全員を対象とした調査を行なった。
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