境界領域の再評価とその展開 特集
産婦人科心身症
女性にみられる問題行動
マタニティブルース
橋本 正淑
1
,
佐野 敬夫
1
,
郷久 鉞二
1
Masayoshi Hashimoto
1
1札幌医科大学産婦人科学講座
pp.325-327
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207589
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妊娠,分娩,産褥へといたる周産期は,思春期,更年期と同様に,女性にとって重要な時期と考えられており,しかもこれらの時期に女性の心身における種々の異常が多発していることはよく知られているところである。
産褥期における抑うつ状態は,Pitt1)により"マタニティブルース"と命名され,50%の褥婦に分娩後3〜4日目に起こり一過性に経過したと報告されている。しかしそれ以前にやはりPitt2)により"Atypical Depression"として報告されているように,典型的なうつ病ではない。だが経過によっては,種々の重大な精神症状,精神障害へ発展することも示唆されている。
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