CHECK IT UP 日常ケアを見直そう・10
清拭[3]—全身清拭を行うときの注意と事故の予防—病状の観察・判断・評価の大切さ
小野寺 綾子
1
,
看護ケア再検討グレープ
1神奈川県立厚木病院
pp.1092-1093
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922859
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ある看護婦が,人工透析を受けている入院患者から‘入浴させてほしい’と言われた.患者の希望通り入浴させていいのかどうか判断できなかったので,チームリーダーに相談をしたところ,‘入浴させて何かが起こっても責任がとれないわよ’との返事であったので,清拭を行ったという.そのとき,リーダーがなぜ,入浴させて何かが起こっても責任がとれないと言ったのかわからないままにケアをしている自分に気づいたが,話し合いもせず過ごしてしまっているという.
この話を聞いた私は,患者の状態は入浴が可能なのかどうか,それとも全身清拭あるいは部分清拭が適当なのかどうかについて,日常の業務の中で事例検討がされていないのではないか,と思った.また‘入浴することで何か起こるかもしれない’というその何かとはいったいどういうことを指しているのか,さらに‘責任がとれない’とは,看護婦として日常ケアの主体性はどうなっているのだろうか,と疑問を抱いた.
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