ベッドサイドの看護
病名を知った末期胃癌患者への援助
築山 千代美
1
1国立岩国病院4階東病棟
pp.172-175
発行日 1981年2月1日
Published Date 1981/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922712
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はじめに
癌患者には病名を告げないことが常識とされている中で,今回我々は病名を知った胃癌末期の患者に遭遇した.そして,この患者に対し,どのように接すればよいのかという戸惑いを感じた.そこで病棟カンファレンスを開き,アプローチの方法によっては闘病意欲を失うことなく,安らかな死が迎えられるのではないかという仮説を立て,カンファレンスを中心に,状態に応じた援助を続けた.
キューブラ・ロスは,死への心理過程には拒否,怒り,約束,抑うつ,受容の5段階があり,その段階に長短はあっても入れ替わることはなく,すべての患者に共通していると述べている.この患者の経過を精神状態の変化から4期に分け,キューブラ・ロスの唱える死への心理過程と比較し,死に臨んだ患者への援助のあり方について考えてみたい.
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