特集 援助の成り立ち・2
援助のなかのスレちがい—援助する・される関係について
上野 矗
1
1大阪教育大学養護教育教室
pp.347-352
発行日 1977年4月1日
Published Date 1977/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922636
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援助にあたって,恵まれてあることの危険と恵まれてないことの恵み
私はいま診療場面で心理治療面接(カウンセリング)にかかわっている.看護の体験を実際には持ち合わせていないが,しかし,看護臨床に非常な近しさを実感している.看護婦姉の援助のありようから学ぶことが多いし,看護臨床にかかわっている看護婦姉の生きざまに私の心は強く深く触れ,動くのである.看護と治療面接との双方に,生きた人間同士の援助関係が要(かなめ)であることの共通性を感じているからかもしれない.いずれにせよ,看護のことを私の身に近く実感しているのである.
こんな実感のなかで,‘となりの芝生’ではないが,看護のことがうらやましく思えることがある.それと同時に,看護のことを問い直したい思いもある.詳述していこう.
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