東西南北
援助
佐野 保
1
,
夏目 通利
,
遠田 弘俊
,
関矢 文栄
2
1仙台北ロータリークラブ
2巨人軍応援団
pp.13
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914364
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ある田舎の街角で,新聞配達の少年が突然自転車をとめて故障をなおし始めた。そこへ,勤め帰りの中年の人が近づいて,「坊やどうしたの」と声をかけると,自分のカバンを傍らに置いて修理を始めた。「おじさん悪いね」「なに,坊やは遅くなると困るだろう」と言いながら,器用な手つきで素早く直したうえ,修繕方法まで教えてやった。近所のおばさんがバケツを持って来た時,おじさんは「坊や先に洗いなさい。急がなければならないからね」と遠慮している少年を促した。「おじさんありがとう」とさもうれしそうに走って行く少年を,二人はいかにもうれしい表情で見送っていた。何という心暖まる風景であろう。人間は誰でも胸の中に善意,小さな親切の火種を持っているが,燃え上がらせようとする者が少ない。人間の生命を取り扱う聖職にある医師と看護婦には,この愛情をもってする職業奉仕こそロータリーの精神であり基本である。
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