特別記事
DV・虐待を防ぐために—家族のなかの暴力への援助
信田 さよ子
1
1原宿カウンセリングセンター
pp.792-796
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902499
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家族のなかの暴力とDV防止法
今年4月6日,DV防止法(配偶者からの暴力防止及び被害者の保護に関する法律)が成立し,この10月に施行となります。DVとはドメスティックバイオレンスの略で,夫・恋人(婚約者,内縁関係なども含む)など親しい関係にある男性からの女性への暴力のことを指しています。
DVは,家族の問題と切り離せません。家族というのは,支配,権力,暴力と親和的構造にあります。たとえば,父親は母親を支配し,親は子どもを支配している。支配した親が年をとると,子や嫁がリベンジとして老親を虐待するということもある。そして親から暴力を受けた子どもは,自分の妹や弟に暴力をふるう。これが家族のなかの暴力の全体像です。
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