ベッドサイドの看護
長期入院,予後不良の患者と家族へのかかわりのなかで
岩水 真佐子
1
1京都大学医学部附属病院看護部
pp.152-156
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922555
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はじめに
‘人はこの地上の日々を通じて自らの魂をつくるのである’1).
Grace P. Fassは,患者が‘知覚の欠陥’‘社会的隔離’によって,不安現象や肉体的不満を表わしたことを述べ,実証的な看護を考えようとしている.2)心疾患のため安静を必要とし,予後不良のこの患者の場合も,自己実現へのニードを持ちながらも,しばしば生きる意味を見失いそうになった.このような患者および家族が,‘病気や苦難のなかに意味を見出し’3)最後まで闘病心を失わず,どうして生の充実をはかるか,ともに指向していく過程で,患者に見い出した態度の変化を,患者・家族の言動,カルテ・看護記録から報告する.
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