連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・16
「生活」モデルとケア・プラン[1]
木下 康仁
1
1立教大学社会学部
pp.1224-1227
発行日 1987年12月1日
Published Date 1987/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921881
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今回と次回は,老人のケアになぜケア・プランが必要なのかを「生活モデル」という概念とともに考えてみよう.プランの立て方や実行の方法論よりも,その最も基本的な考え方に力点を置きたい.看護の分野では,ナーシング・プランを中心に患者のケアを行なうことは既に常識になっている.少なくともナーシング・プランの必要性をめぐる議論の段階は終わり,現在ではどうプランをたていかに実行したらよいのかという実践段階に進んでいる.そして,こうした一連の動きがアメリカ看護界における理論動向や実践方法をモデルにしながら展開してきたのも事実であろう.
だから,看護婦の方はケア・プランとナーシング・プランを同じものと思うかもしれないが,ここで論じるケア・プランはナーシング・プランとは本質的に別のものである.この点をまずはっきり認識していただきたい.そこで,両者がどう異なるのかを整理しておく必要がある.
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