連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・17
「生活」モデルとケア・プラン[2]
木下 康仁
1
1立教大学社会学部
pp.84-87
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921904
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前回は,現在の医療の根底にある考え方を医療モデルと規定しその問題点を論じ,医療モデルに対して「生活モデル」という考え方を提示した.そして,生活モデルに基づいてケアを行なうとき中心になるものとして,ケア・プランを位置づけた.生活モデルとは,「患者」という存在枠に入りきらないが医療・看護サービスを含めた多様なサポート・サービスを必要とする人々,すなわち,慢性疾患や慢性的障害をかかえつつも社会的に生きていかざるを得ない人々に焦点をあて,こうした人々の主体性を尊重したケアの考え方である.
次いで,対象を身体的,精神的に自立の困難になった老人に限定し,具体的な場として私が参加している総合的老人コミュニティの中にあるケア・センターという施設について説明した.生活モデルを前提とし,老人のケアになぜケア・プランが必要であるのかを考えるためにこうした舞台設定をしたのであった.
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