視点
済生会生活困窮者支援なでしこプランについて
齋藤 洋一
1
1社会福祉法人・恩賜財団大阪府支部
pp.602-605
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102812
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はじめに
筆者は母子手帳の創設者である瀬木三雄教授から公衆衛生学の講義を受けた1人であります.
当時,公衆衛生学の意義も価値もあまり理解できず,臨床の分野に進み,外科医としての人生の大半を過ごしてまいりました.大学退任後,済生会病院の病院長となり初めて医学の領域の中で極めて広い,深い医療の世界が広がっており,その窓口的役割を果たしているのが公衆衛生であることを痛感した次第です.
今や筆者の学んだ頃の公衆衛生という名称が大学の講座名として残っているところが少ないくらいにその活躍の舞台が展開していることも再認識いたしました.
最近の研究分野1)を見ますと疫学,生物統計学,生命医療倫理,公害環境汚染中毒医学,医療衛生行政経営医学,小児ストレス老年医療,感染放射線障害疫学,生活習慣病介護福祉,地域連携,国際交流と多彩であり,まさに医学と社会との掛け橋のすべてを網羅しており臨床医はもっと公衆衛生に強い関心を抱くべきと自省しております.
私の所属する済生会もその一翼を担っておりますのでその現状を記し,その視点からみた問題点に触れてみたいと思います.
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