特別寄稿
ケアプラン方式の比較―①在宅におけるケアプラン
山田 ゆかり
1
,
池上 直己
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.179-188
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902302
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はじめに
現在各団体からさまざまなケアプラン方式が提唱されている.この中で厚生省の高齢者介護サービス体制整備支援事業で紹介されたケアプラン方式として,在宅ケアアセスメントマニュアル(通称MDS-HC方式),包括的自立支援プログラム(通称三団体方式),生活支援のためのケアプランの立て方(通称日本介護福祉士会方式),ケアマネジメント実践記録様式(通称日本社会福祉士会方式),日本版成人・高齢者用アセスメントとケアプラン(通称日本訪問看護振興財団方式)の5つがあるが,そのほかに高齢者ケアプラン策定指針(通称MDS方式),居宅サービス計画ガイドライン(通称全社協方式)等が現場で使用されている.なお,これらの方式の呼称として,通称の方が定着しているので,以後,通称で表示する.
これらのケアプラン方式について,これまで並列的に提示されてきた.しかし,各方式は表1に示すように,主な照準を在宅に置くか,あるいは主に施設に置くかによって分かれ,また多職種が使用できるように作成したか,あるいは1つの職種の使用に適するように作成されたかでも分かれる.したがつて,まずこうした基本的な枠組みを踏まえたうえで各方式を選ぶ必要がある.次に,各方式の特徴を十分検討する必要があるが,これまではそれぞれの方式の提唱者が述べた長所や短所を概念的に比較するのに留まっていたため,現場において判断することが困難であった.
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