特別寄稿
ケアプラン方式の比較―②施設におけるケアプラン
山田 ゆかり
1
,
池上 直己
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.293-307
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901982
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
現在多くのケアプラン方式が提唱されているが,いずれのケアプラン方式を採用した場合でも,理念と実際の間に間隙が生じることは避けられない.特に介護保険下では,業務計画表や曜日別スケジュールの作成に時間が割かれる可能性が高いので,ケアプランとして個別性への配慮ができなくなってケア目標が画一化し,形だけのケアプランとなってケアマネジャーとしての存在意義が疑われる危険性がある.こうした危険性があることを十分認識したうえで,各ケアプラン方式の中から慎重に選ぶ必要がある.
前号では在宅において普及している全社協方式とMDS-HC方式を中心に比較検討を行なった.今号は施設に照準をおいているケアプラン方式として包括的自立支援プログラム(通称三団体方式)とMDS方式をとりあげ,それぞれのアセスメント項目やケアプランの作成過程について比較を行なう.なお,方式の呼称として通称の方が定着しているので,以後通称で表示する.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.