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エゴグラム—(Egogram)
白井 幸子
1
1国立療養所多磨全生園
pp.544
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921730
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米国の精神科医,エリック・バーン(1910-1970)によって始められた交流分析では,私たちの心は,3つの異なった人格より成り立っていると考えます〔図1〕.
1つは,「親の自我状態」と呼ばれ,私たちを育ててくれた両親が私たちの心に内在し続けて,両親の言動がそのまま私たちの言動となっている部分です,この「親の自我状態」はさらに,倫理観に富み,規律・道徳を重んじ,また理想を追求する「批判的親(父親的親)」と,他人に対する思いやりや愛情を示す「保護的親(母親的親)」の2つの部分より成り立っています.もう1つは「成人の自我状態」と呼ばれ,私たちの中でコンピューターのような働きをする部分で,物事を理性的・客観的に判断し,状況に適切に対処する部分です.残るもう1つの部分は「子供の自我状態」と呼ばれ,理性のブレーキが効きにくく,子供のように感動的・衝動的に振る舞う部分です。「子供の自我状態」はさらに「自由な子供」と「順応の子供」より成り立っており,「自由な子供」は本能的・衝動的で自然のままに振る舞い,それに対し「順応の子供」は自分の本能・衝動を抑えて,周囲の環境に適応しようと努めます.
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