Japanese
English
研究と報告
交代人格が成長して寛解へと至った解離性同一性障害の1例—各人格のエゴグラムと風景構成法の比較を通して
A Case of Dissociative Identity Disorder being led to Remission with Maturing Alter-personalities: The comparison to egogram and landscape montage technique
千丈 雅徳
1
,
佐藤 友香
1
,
中島 公博
1
,
坂岡 ウメ子
1
,
林 裕
1
,
田中 稜一
1
Masanori SENJO
1
,
Yuka SATO
1
,
Kimihiro NAKAJIMA
1
,
Umeko SAKAOKA
1
,
Yutaka HAYASHI
1
,
Ryouichi TANAKA
1
1五稜会病院
1Goryokai Mental Hospital
キーワード:
Dissociative identity disorder
,
Egogram
,
Landscape montage technique
Keyword:
Dissociative identity disorder
,
Egogram
,
Landscape montage technique
pp.1061-1068
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902719
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【抄録】 解離性同一性障害患者の主人格および交代人格に風景構成法とPCエゴグラムを施行し,人格の成長・変化を認めるとともに寛解に至った1例を報告した。失恋を契機にαが出現し,αが成長して全体をまとめるδとなった。また,陰性感情は持続していくつかの交代人格が所有したが,最終的には主人格も陰性感情を引き受けることでまとまるに至った。すなわち,交代人格には固定化した感情状態を持続する者と,そうでなく成長する者が存在することが示唆された。また,名を持たぬ不気味な存在に名を付与することで具体的な対応が可能となり治療的に大きな転機となった。風景構成法およびPCエゴグラムは人格特性を簡便に把握し,人格の推移を知る有効な手段であることが示された。
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