特集 危機状況にある患者の理解と看護の役割
腎不全!病名を知った時,患者は……—患者の潜在的苦悩をどうとらえるか
稲葉 由子
1
,
佐藤 民子
2
,
藤代 悦子
3
,
佐藤 晴美
3
1国立佐倉病院内科病棟
2国立佐倉病院透析センター
3国立佐倉病院
pp.1120-1125
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921537
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はじめに
国立佐倉病院は,腎疾患機関病院として,様々な腎疾患の患者が入院し,慢性腎炎の治療や腎生検はもちろん,急性腎不全の緊急透析カニュレーシヨン,シヨルドンカテーテル挿入,血管のシャント術,透析の導入等が日常行なわれている.また最近は長期間透析患者の続発症,アミロイド関節症や副甲状腺機能亢進症等の問題を抱えた患者が再入院する等,様々なクライシス(危機状況)の場面に出会う.
長い闘病のあげく,透析を受けるように言われた時の患者のショック,ある患者は毎晩ベッドの中で泣きあかし,又ある患者は突然に頭髪が抜け落ちるという例もあった.患者1人1人の持つクライシスは,長期間続いたり短くても深かったり,様々ではあるけれども,私たちはどの様なかかわり方で,取り組んでいるのか事例を挙げてここに紹介する.
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