特集 病名を告げえない状況のなかで
沈黙の中で苦悩する患者
萬田 良子
1
1国立がんセンター9A病棟
pp.1272-1276
発行日 1979年12月1日
Published Date 1979/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918834
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私が所属する病棟は,1年間におよそ70名近くの人々の死を看とる内科病棟で,手術不可能なケースや,再発・転移の患者が最後の望みを化学療法に託して入院してくる末期癌病棟でもある.
経口,静注,坐薬による化学療法は,どんどん成長し続ける癌細胞に対して,徐々に効果を現してはくるが,同時に造血機能低下や食欲不振などの副作用も強く,結果としては体力の衰弱とともに合併症を併発してしまうことも多い.
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