特集 危機状況にある患者の理解と看護の役割
自分は悪い病気であるはずがない—自分の病状が受け入れられない患者へのケア
今井 陽子
1
,
江口 八千代
2
,
遠藤 澄江
2
,
南雲 志津子
1
1国立佐倉病院外科病棟
2国立佐倉病院内科病棟
pp.1128-1130
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921538
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はじめに
‘入院する’それだけでも人間にとっては大きなストレスである.家族・社会から隔離された気持ちに加え,身体的苦痛を伴う検査・処置がある.その不安(危機)を上手に乗り越えられる人も中にはいるが,私たち看護者は,ひとりひとりの危機に気付かず過ごしていることの方が多いのではないだろうか.
今回,私たちは,入院はしたが自分の病状を受け入れられず,検査・治療を拒否し続け,やむを得ず退院,その後,病状悪化に伴い,再入院した患者を看護した過程を通し,援助のあり方について考えてみた.
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