ぼけの臨床・12
ぼけのいろいろ—[2]初老期痴呆(アルツハイマー病,ピック病,クロイツフェルト・ヤコブ病)
井上 修
1
1大阪警察病院神経科部
pp.454-457
発行日 1986年4月1日
Published Date 1986/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921388
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‘うちのおふくろもひどくぼけたものだ.年だから仕方がないけどね’というのは,よく聞く会話である.‘いやいや,まだまだぼける年ではありません’これも,また耳慣れた言葉である.ぼけは,老人の専売特許のように考え勝ちである.老耄(ろうもう)とか,耄碌(もうろく)するといって,ぼけたことを表わすこともある.見るからに,‘ぼけ’は老人のものであることを表わしているような言葉である.
ところが,ぼけを老年期のものと,安易に考えてはいられない.もっと若い,いわゆる初老期に起こり始めるものがある.初老期痴呆とされるもので,今回はそれらについて述べてみよう.
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