ベッドサイドの看護
執拗なまでに経口摂取を希望した筋萎縮性側索硬化症患者の看護
河角 純子
1
,
野崎 信子
1
1国立福岡中央病院神経内科病棟
pp.1152-1156
発行日 1983年10月1日
Published Date 1983/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919970
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はじめに
当神経科病棟では,パーキンソン病を中心に,複雑多岐な神経症状を呈する,いわゆる難病患者を受け入れている.その中でも,全身の運動機能のほとんどを奪われ,筋肉の萎縮からついには球麻痺症状により死に至る,筋萎縮性側索硬化症(以下ALSと略す)の症状は極めて悲惨である.
私たちは,日常生活のすべてを看護者の手に委ねなければならない,ALS患者の看護に携わる機会を得た.この患者は,死と隣合わせで生きていながらも,なおかつ人間として自然なままの生活をおくりたいという意思を最後まで失わなかった.そこで,‘経口摂取’という人間としての基本的欲求を満たそうとする患者への看護援助を通し,その経過を振り返り,私たちの援助内容を考察してみたいと思う.
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