ベッドサイドの看護
農村地区診療所での高血圧患者管理—セルフケア意識を育てるための個別指導
高橋 順子
1
,
坂田 静子
1
,
宮森 正
1
1神奈川県立千木良診療所
pp.1145-1151
発行日 1983年10月1日
Published Date 1983/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919969
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はじめに
当診療所で扱う慢性疾患のうち,高血圧は最も多い疾患である.従来,高血圧患者の治療は薬物療法に偏りやすかったため,独自で薬を中断したり,来院しなくなる人がいて,十分なコントロールができない場合が多かった.また,この地域は食事の味つけが濃く,自宅でいく種類もの漬け物を漬けている家が多いため,塩分が多量に摂取されていると推測された.自ら減塩していると言っている人でも,1日の尿中食塩量を測定すると,16gと多かったことを考えると,減塩療法の意義が大きいと考えられた.
そこで,患者のセルフケア意識を高め,治療を有効かつ長続きさせるために,高血圧患者経過表を作成し,それをもとに個別の患者指導を行った結果,患者自身によるコントロールが可能となった人がかなりの数にのぼった.ここでは3つの事例を併せて報告する.
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