臨床に資する看護研究―私の研究指導 第1部 学生に対する私の研究指導
【論文】踵部の褥創予防における円座の有効性の検討
宇埜 絵理子
,
大久保 美和
,
大口 智絵
,
堅田 裕美子
,
北井 充子
,
本江 みゆき
,
南出 陽子
,
宮北 由美子
,
山本 晶子
pp.895-903
発行日 1998年11月30日
Published Date 1998/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901945
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Ⅰはじめに
踵部は骨突起部位で一点に高圧が集中することから褥創の好発部位となっている.踵部の褥創予防のためには円座が局所的な除圧と圧迫痛を緩和する目的で使用され,臨床では円座は安価で簡便であるということで普及してきた.しかし近年では円座使用による疼痛1),中心部の皮膚の過伸展による血液循環不良2,3)などのため禁忌といわれている.従来円座の効果は仙骨部を対象として体圧測定法4,5),非観血的に局所組織の血液循環を測定する方法5),圧迫部皮膚温の変化6),自覚的訴え6)などが研究されてきた.しかし,踵部を対象として円座の効罪を血行動態,痛みの訴え,皮膚温から総合的に検討したものはない.そこで,今回私たちは健康人の左踵部を対象に,深部組織の血行動態,痛みの訴え,サーモグラフィーの変化を観察し円座の効果について検討した.
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