綜説
小児期の夜尿症と移行期以降の排尿症状との関連
里地 葉
1
1熊本市民病院泌尿器科
pp.601-605
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003485
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夜尿症の有病率は年齢とともに低下し,15歳時には1~2%になる.しかしそれ以降は自然軽快がみられにくくなり,思春期・青年期まで夜尿症状が遷延することがある.これらには各種の治療に抵抗性であった患者や未治療の患者が含まれているが,治療が奏効し小児科・小児泌尿器科のかかわりが途絶えたが,実は症状が遷延ないしは再燃している患者もいる.小児期の夜尿は成人期の夜間頻尿や尿意切迫感,尿失禁のリスク因子にもなる.とくに夜尿消失が12歳以降であったものほど,成人期に蓄尿症状を生じやすく,また若年で出現する傾向にある.夜尿症を含めた排尿症状は患者の社会生活や自尊心へ影響するため,適切な対応や治療が必要となる.

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