研究・報告
夜尿症をめぐる相談助言の一案
小川 絹子
1
,
藤生 君江
2
1栃木県宇都宮保健所
2静岡県藤枝保健所
pp.64-72
発行日 1965年8月10日
Published Date 1965/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203453
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はじめに
小児を取り扱う者は,その心理発達と精神発達の段階について熟知している必要のあることは今さらいうまでもない.そしてそのことが知的発達や情緒的発達のほかに社会性の発達や生活習慣など,相互に密接な関係を持ちながら発達してゆく小児の養護・看護を適正にするかどうかに大きなつながりがあり,それが子どもの人格形成と密接につながっていることを思えば,さらに勉強してゆかねばならないことを痛感する.
3歳児健診が全国的に実施され,小児の心身の健康が再認識されつつあることは喜ぶべきことである.しかし私たちの保健指導も身体所見に重点が置かれ,精神発達,生活習慣,習癖などに適切な相談助言が行なわれてきたとはいいきれない.そこで情緒面で大きな問題があるとされ,3歳児検診の生活習慣,習癖の聴取項目の1つに扱われ保健指導上最も困難だと思われる夜尿症を中心に勉強する機会を得たので報告し,皆様方のご批判をいただきたいと思う.
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