学生の眼
患者理解についての学び
菅谷 利枝
1
1国立金沢病院付属看護学校
pp.1402-1405
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919422
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はじめに
私は2年生の初めのころ,実習の開始にあたって患者との対話を重視するよう心がけていた.それは対話というものが,患者をいち早く理解し,学生でも努力しだいでは容易に患者に受け入れてもらえる手段であると信じていたからである.しかしその後,私は,プライドが高く,なかなか信頼関係の得られない肝硬変の患者を受け持ち,真に対話することの難しさと,単なる対話だけでは患者を本当に理解できないと痛感させられた.それは,自分は果たして,これまで患者を本当に理解した上で看護を行ってきたのだろうかと,自分自身の看護に臨む姿勢に疑問を抱く機会となった.
ここでは,患者を真に理解するためには自分はまず何を行うべきなのか,また看護婦の姿勢とはいったいどうあるべきなのかについて,私なりに考えてみたことをまとめてみたいと思う.
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