ベッドサイドの看護
転移癌による症状精神病患者の看護
桜井 一子
1
,
林 厚子
1
,
織田 真紀子
1
1国立病院四国がんセンター内科病棟
pp.1399-1401
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919421
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はじめに
悪性腫瘍が,どのような経路を経て脳転移をきたすかについては,種々の報告がみられる.豊倉らが調べた839例の悪性腫瘍についての内訳では,肺癌が最も多く,転移脳腫瘍例全体の31.4%を占め,精神障害は原発性腫瘍よりも多く見られると言われている.
当病棟でも,その経過中に精神症状を呈してくる患者は,年間約10名くらいである.数的に少ない事例ではあるが,当院のがん専門化によって今後益々増加するものと思われる.なお,内科病棟の中でそうした患者を看護する場合,多くの問題が生じてくる.なかでも患者の内面にどうかかわっていくかが,私たちの課題であり,今回肺癌から脳転移を来し,精神症状を呈した患者の看護過程を振り返って,‘人間として理解する’という言葉に含まれてい意味の重要性が,どのように実際の看護場面で生かされ,反映され,実行されているかを検討した.皆様のご指導,ご批判を仰ぎたい.
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