ベッドサイドの看護
安楽死を望み続けた患者への訪問看護
佐々木 ふき子
1
1川崎医療生協大師病院内科外来
pp.541-545
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919238
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はじめに
当院の内科外来では,寝たきり患者を初めとし,継続的治療看護を行うために,1975年より外来看護婦による訪問看護を開始し,今年で5年目を迎えた.現在23名の患者に往診・訪問看護をしているが,ほとんど毎日訪問する必要がある患者から,週1回程度でよい患者など,症状や看護必要度から見て様々な患者がいる,
ここで紹介する患者は,慢性リウマチの患者である.37年前に発病し,52歳で歩行困難をきたし,67歳でほとんど寝たきりの状態となり,69歳の時,回復する可能性のない自分の病気と,息子夫婦の不和を理由に,前途を悲観し自殺未遂をした.それ以来口癖のように‘死にたい’と叫び続け.70歳で死亡したが,3年8か月間の訪問看護を通して,‘人間が生きること’について深く考えさせられた.
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