時評
医師自身の安楽死
熊谷 義也
Yoshiya KUMAGAI
pp.876
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208699
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9月8日附サンケイ新聞,「今日のレポート」欄によると,「生命と倫理に関する懇談会」が2日に厚相に報告書を提出したという.要は末期医療ないしは終末医療に金をかけ過ぎるというのがその主旨らしい.医療の現場で働いていると,どうしても,末期医療に総医療費の10%に及ぶ費用がかかっているなどは信じられない.
例えば,40歳の早期胃癌患者の手術をして,縫合不全を起こしたとする.こういう場合,主治医は夢中でがんばる.確かに,そうした場合には,あまり費用のことなど考えていないかもしれない.こうして結果として,亡くなったような人の医療費が末期医療に含まれるのだろうか.
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