ベッドサイドの看護
重症口蓋裂患者の経口哺乳および心身発達への援助
冨澤 彧子
1
1伊勢原協同病院小児病棟
pp.546-549
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919239
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我が国における小児疾患の中でも,ピエールロバン症候群は,分娩2200例に4例という数少ない疾患のひとつである.本疾患は一種の先天性奇形であって,主症状としては,小顎症,舌下垂,口蓋裂等があり,小顎症によって引き起こされる舌下垂による呼吸障害や哺乳困難等がみられる.
多くの事例の場合,多少の哺乳困難は見られても,次第にその児なりに吸啜も上達し哺乳量が増量していくが,本事例については口蓋の大部分が欠損している極めて重度の口蓋裂であり,舌下垂により陥没呼吸もみられ強度の呼吸困難と哺乳困難を伴っていた。また月齢が進むに従い,身体的・精神的な発育遅延や頻回の嘔吐,肺炎の合併など重篤な状態を呈した児である.このような多くの障害をかかえた児へ経口哺乳および心身の発達への援助を行ったので,その援助経過を述べてみたいと思う.
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