マイ・オピニオン
糖尿病患者の指導について思うこと
岡田 澄子
1
1千葉労災病院外来
pp.489
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919227
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先日,当院の内科病棟で糖尿病性腎炎のKさんが亡くなった.外来通院していた当時のKさんのことを,私たちは‘食事療法がうまくいかない症例’として取り上げ,実際に食事を作る家族の方を呼んで指導したり,来院予定日に受診しなかった場合は電話で受診するように勧めたりした.このような時,いつもKさんは浮かない顔をして,迷惑そうであった.合併症が次々と悪化してKさんは入院した.合併症の進んだKさんの病状は,外来治療ではどうにもならないところまで来ていたのである.
Kさんに限らず,糖尿病の合併症の恐ろしさを知る例は多く,合併症が生じない早期の指導が重要となってくる.糖尿病と初めて診断された患者に対しては,その患者の一生のコントロールが確実に行われるよう,徹底した指導が必要である.今や国民病として注目を集めている糖尿病の指導に,私たち外米看護婦が本格的に取り組んで数年たったが,集団指導や個人別指導などと試行錯誤を繰り返す一進一退の状況の中で,定期的に月1回の糖尿病教室(集団指導)を開くことが軌道にのってきた.医師・栄養士と,専門の講師の協力を得て,中身の濃い指導ができるようになった.
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